『目指すは頂点!』の兄ちゃんについて

自分でも思うくらいなんで急にワンピースなのかと、これからどう転がるかわからないので気持ちの整理もかねてなんか色々。


※ネタバレがたまにあるのでご注意下さい


《兄ちゃん、兄貴、兄、ポーさん、スペード船長 = ルフィさんのお兄さん、ポートガス・D・エースさんの事です》


きっかけはアニマックスでやってる『創ったヒト』の12月の田中真弓さん特集でした。何週目かのゲストに古川登志夫さんがいらしゃって、その時に初めて役以外の声をお聞きして「なんだこの声は…格好良過ぎる…!」となりました。

私的に古川さんと言うと、うる星のあたるとか銀英伝のポプランとか悪魔くんメフィスト2世などのひょうきんなイメージが主で、時々パトレイバーの遊馬みたいななんかよくわからんけど格好良い声をお聞きするなあと。
ついでに言うとちょっと前にゲームアーカイブスサガフロ2を再プレイしてた時に、「ロベルト*1の声は絶対古川さんよね!」と勝手に思っていたりとかして今回のフィーバーに至るにフラグの片鱗がありました。

それから有り得ない話なんですが、ピッコロさんの声を古川さんがやってらっしゃると言う事を最近まで知りませんでした。ドラゴンボールは声優さんを覚えると言うより気が付いたら声を覚えてると言う感じで名前をチェックする習慣が無かった…とか言い訳を一応…


まあとにかく、『創ったヒト』で最初のフラグがたって、と言いつつ私はこの古川さんゲスト回をなぜか削除してしまってて『もうしねバカシネ』と何十回か思ってるのですが、とにかくフラグが1つたった状態になり、アニマックスはアニメ宣伝チャンネルなので12月の劇場版公開と合わせて『創ったヒト』の田中さん特集でワンピースを取り上げたり過去の劇場版2作品を放送したりしてたのです。

で、そのうちの1つが細田監督のオマツリ男爵のグロなんとかと言う劇場版で、「ワンピースの劇場版ってあんまり良かったって話聞かないけど細田監督作品だから見てみようかなー」と終始失礼な話で申し訳ないのですがとにかく見てみたわけです。
そして視聴後に何か気になることがあって日本で一番更新されてるらしいワンピースのウィキペディアを見に行って、いっぺんウィキペディア見に行ったら無駄に読み続けないといけないという決まりがあるわけじゃないですが無駄に読み続けてたら、そこに古川さんのお名前があり、ルフィさんのお兄さんを演ってらっしゃると言う事を知りました。


そう言えば昔読んでた時は誰かと言えばお兄さんが一番好きだったなぁとアラバスタ編の途中で(ほんとに登場ギリギリでした)止まってた時間が突然急速で動き出しました。ワンピース本編には匹敵しないまでも相当な時間を掛けてフラグが回収されたのでした。


とにかく話がべらぼうに長いのでどこら辺に登場してるのかを調べて、単行本買ったりDVD買ったり会社のジャンプで単行本未収録分を回収したりなんかで学習していって、最後の決め手になったのがアニメ325話のバナロ島の決闘でした。

上で言ったようにひょうきんな感じで演じてらっしゃるのかなぁと想像してたら、なんとピッコロさん系の渋い声だったと言うギャップにまず撃ち抜かれ、さらに325話は作監さんが井上栄作さんでフィニッシュブローでサンキューでした。
あくまでも私の印象なんですが井上さん回は【ワンピース5:ノーブル3:耽美2】の絵で構成されていて、好み過ぎて視聴しながら変な声が出そうになるくらいストライクゾーンの真ん中にえぐり込むように入ってきます。
先日のグラメンの記事に書いてた『個人的にポーさんの好きなところランキングの堂々2位→鼻』が井上さん(とお名前特定できませんが原画の方)の手にかかるとそれはもう素敵なノーブルで高い鼻になるんですね…。東西南北の海の人種分布とか知らないけど、育ちと父ちゃんはイーストだけど生まれとお母さんはサウスって言う設定にもハマる鼻と言うか。伝わりにくくて申し訳ないんですがとにかく素晴らしいと言いたいんです。

兄ちゃんの絵を描く時は鼻が一番重要と言うか鼻ですべてが決まる気持ちで描きます。結果がついてきてるかは別として。1月1日に初めて描いた時は意識の発達があきらかに不足してましたッ。
最近は尾田先生の絵が丸っこくなってらして、20歳のポーさんじゃなくて17歳の旅立ちの時かそれ以下くらいの歳に見えて且つ、鼻のノーブル度も下がってしまってるのがちょっと残念です。一刻も早く格好良い兄ちゃんに元気に戻ってきて欲しいと希望してます。


それから既にお気づきかと思いますが『個人的にポーさんの好きなところランキング』の堂々1位は声です。まーそこから入ったんならそうなるわなですね。最後になりますが、このランキングは外見に類するものを個人的にランキングしたものであり、性格等の内面的なものは含まれておりません。あしからず…




ここからはポーさんの今いちよくわからない性格とか経歴なんかについての現在の自分なりの見解と言うかほとんど妄想です。
初登場〜現在で考えると亜空間に迷い込んで脱出不可能になるので、最近回想で明かされた時代順4区分で考えたいです。



1.誕生〜通り魔(人斬りナイフ第一期)時代
2.弟ができた〜旅立ち時代
3.スペード船長(人斬りナイフ第二期)時代
4.白ひげを王にしたい(白ひげ海賊団二番隊隊長)時代


1.誕生〜通り魔(人斬りナイフ第一期)時代

この期間で特に気になるのは『自分の出生についてガープ(たぶん)から聞かされたのはいつ頃なのか?』『どこまで聞いたのか?(ルージュさんの死因、命名の件、バテリラの母子虐殺、ロジャー諸々)』の2つです。
ガープとポーさんの関係がぎこちないのは、幼少の頃に出生について聞かされた事による衝撃諸々が原因じゃないかなあと考えてます。
ガープがインペルダウンでポーさんと話してた時、弟さんと話してる時と比べるとちょっと気を使ってるような感じがあったように見えました。この気づかい的な距離感的なものは真実を伝えるのが早すぎたせいで荒れた幼少期を過ごさせてしまった事への申し訳なさと自責の念から来てるのかなぁとか。ポーさんに早々に爆弾投下した結果→荒れ荒れの通り魔だったので、弟さんに父親について伝える時は慎重に、時期をうかがってから話したんじゃないかなーとか。
まあ、弟さんの場合はいつ聞いてもあんまり影響なさそうだったり、ぎこちないのも単に死刑囚になった孫と再会して平常通りと言うわけにはいかなかっただけって話なのかもしれませんが。
ポーさんに関してはとにかく大前提として『生まれてきても良かったのかな…』があるので、何事も卑屈に捉えてつつ、そうして出された答えに対して糞真面目+一直線+頑ななところがあるんじゃないかなあと。
で、ガープに対しては母を守ってくれた事と自分を誕生から見守って育ててくれた事(あと敵である父の頼みを聞いてくれた事にもかな?)に対して恩を感じつつ、同時に海兵であるガープに大罪を犯させてしまった事への罪悪感も持っていて、ガープに対しての感謝と愛情が大きければ大きいほど自分を咎める気持ちも大きくなっていってそれがぎこちなさとして現れてるんじゃないのかなあと。
要はお互いを家族として大切に思いあってるけど、同時にそれが許されないって気持ちも持ち合わせてる似た者糞真面目爺孫なんじゃないかなあと。
しかし同じ糞真面目同士でもガープの方が自分の気持ちに正直で、ポーさんの方はジジイの好意に甘えてはいけないと言う自分ルールを作ってそれを頑なに守ってそうです。
ガープは兄ちゃんの誕生〜死までを海に出た三年間除いて?ずっと見てきたわけですが、それこそナイフ化する前の一番可愛かったであろう時も知ってるわけですが、処刑前〜戦争中のガープの心情を思うともう「ああああああ」しかでてきません。
孫二人を可愛く思うが故に海賊になりたいと言う意志すらも尊重した(ガープが本気で止めたら二人共海に出れてないんじゃないかなーと)結果ガープが一番苦しむ事になってしまったと。息子も含め、犯罪者の育成に定評のあるガープとダダンさんですほんと。



書いても書いても書ききれないので次行きます。


2.弟ができた〜旅立ち時代

この7年間がポーさんの人生の第一の黄金期なんでしょうね。弟さんとの出会いで人斬りナイフがどう変わっていったのか今すぐ詳しく知りたいところです。
て言うか謎な事ばかりで謎だと思うことに至らないくらい謎だらけなのでもう箇条書きにしていきます。初期の設定が抜けてて妙な事言ってるかもしれません。

  • この期間中に弟の影響を受けて海賊になろうと決めたのか?通り魔をやってた頃に将来について思いを馳せたりしてなさそう。この時既に嫌いになってしまってるであろう父ちゃん(弟さんが「父ちゃんの話すると怒る」と言ってたので)と同じ稼業につこうと思うに至った経緯を今すぐ詳しく。
  • 「くいのないように生きる」はこの頃から口癖みたくなってるっぽいけど、何かきっかけがあってチビ兄弟が誓い合う流れになったのか?弟さんが言うと前向きに聞えるんですが、兄ちゃんが言うと絶賛後ろ向きな中、前に一歩踏み出す為に自分に言い聞かせてるように聞こえます。
  • 兄ちゃんは17歳になるまでずっと"お山"で暮らしてたのか?フーシャ村の人達は弟さんとダダンさんについて触れても兄ちゃんについてはスルーしてたので面識無いみたいですが…ガープとダダンさんと弟さんの3人としか関わらないで17年生きてたんだとしたら世間知らずってレベルじゃ無いですね。これでよく海賊団結成して魚人島か新世界かまで行けたなあ…と。あと、弟さんがフーシャ村に遊びに行く時、兄ちゃんは留守番してたんだとしたら寂しいですね。
  • 時代区分4にかかる話ですが、相当弟離れ出来てないみたいなのに別々に旅立たないと行けなかったのはなぜか?「男だから!」って言われたら納得するしかないんですが、生きてきた理由に『弟』を挙げてるし『一緒に海に出る』道を考えた事もあるんじゃないかなーと。もたもたしてるとガープに捕まって海軍に放り込まれるとか…糞真面目で根暗前提とすると「自分が一緒だといつか災の火種になるかも」と思って自粛したとか…これはさすがに後ろ向きすぎるか。


「弱ってるところを見られるのが大嫌い」と言いつつ「強い兄ちゃん」と呼ぶ弟さんは本当によく出来た弟さんです本当に。

3.スペード船長(人斬りナイフ第二期)時代

ここのエピソードは本編ではもう補完されない気がするんですが、もう少し情報出して欲しいですね。

  • メラメラの実を食べた時期といきさつ。海賊旗のモチーフにもなってるので旗揚げ前かもしれないし、旗を作った時期自体がメラメラの実を食べた後だったとか、船長が炎人間になったから途中で意匠を変更したとか。これは考えても分からないですね。
  • 七武海勧誘はガープが働きかけたんじゃないかなーと。実力を疑ってるとかではないですが、ありうるかなーと。
  • 個人的に『スペード海賊団=盗んだバイクで走り出す』ってイメージです。お揃いの格好してるところとかがなんとも…。船員達は船長が無茶をやらかす度に止めてた(そして巻き込まれてた)みたいなので、一番ツッパってたのは船長かなーみたいな。
  • 白ひげに戦いを挑んだ時、ツッパリながらも普段陽気(にしてたと思われる)な船長がキレて人が変わったようになってるのをどんな気持ちで見守ってたのか、また付いて行ってたのか気になる木。
  • スペード船長がツッパってると思うに至ったのは、ジョジョ的に言う「心の地図*2」をスペード船長が持ってなさそうだなーと常々考えているからです。ポーさんは『弟』や『オヤジ』の様な進むべき道を照らしてくれる灯台みたいなものが傍らにないと、わりとあっさり道や目的地を見失ってしまうんじゃないかと、グランドラインを単独で逆走する知識と技術を持ってるけどそれらを運用する確固たる意思が欠けてる=「いつ死んでもいいや」みたいな気持ちがありそうだなあと。
  • 「ワンピースを狙って海に出た」のとロジャーのライバルだった白ひげの首を獲りに行ったのはやっぱり"父親"関係なんでしょうか?「ワンピースを狙って海に出た」ってのはただのポーズって気がしないでもないですが。

4.白ひげを王にしたい(白ひげ海賊団二番隊隊長)時代

ここが第二の黄金期でしょうか。スペード海賊団時代をdisってるワケじゃあないですが、結局また人斬りナイフに逆戻りしてたので。
ここの時代が非常に気になる毎日です。一番知りたいのに、今後語られそうな気配がどんどん薄くなって行ってるって言う…。
人生と言う名の道に迷いまくってるポーさんが、周りの手を借りつつも自分で辿り着いて手に入れた居場所なわけですが、ポーさんが隊長に就任して通常営業中の白ひげ海賊団の描写が「見てくれオヤジ!!これおれの弟なんだ!!」の一コマしか無いっちゅー話や。白ひげとマルコとジンベエの反応を見ると、弟の話を"さんざん"聞かせまくってたのは間違いないみたいですが…。
オーズに笠作ってあげて満面の笑みを浮かべてたみたいな話をとてもすごくたいへん今すぐもっと見たいです。ワノ国を闊歩するおっさん集団とポーさん見たい見たい見たい。


ポーさんの夢?将来設計?である「白ひげを王にする」事と「弟の夢の果てを見る」事は相反関係にあったり、白ひげ本人にその意志が無さそうだし(以前から宝に興味が無い=海賊王も興味なさそう)、「弟の夢の果てを見る」のもその場で見届けたいと言うより弟がどこまで行けたかを知れたらそれで良いと言う感じがして、能動的な夢とはあんまり思えません今のところ。
特に「白ひげを王にする」の方は実が無い様な気がします。悪い意味で実がないんじゃなくて、子どもが「うちの父ちゃんが一番なんだよお!」って言ってるのと同じ感じなんじゃないかなーと。
前は「ろくでもない父親より自分が最高の海賊と認めた白ひげこそ海賊王の座に相応しい!」と考えてるんじゃないかと思ってたんですが、親の悪口に脊髄反射でキレまくる姿を見てると、名声云々とかの意味で言ってるんではなくポーさんの好意の最大級を単純に言葉にしたら「王にする(って自分は思ってるくらいうちのオヤジは最高)」になったと言う話なのかなーとかなんとか…普段から言い回ってて白ひげが聞いてたとしても、かつて己の首を獲りにきた生き急ぎすぎな小僧が息子になってすごい勢いで慕ってくるのが微笑ましくて「そんな気ねーよ」と野暮なツッコミはしないでいたんじゃないかなーとか。
ああでも決闘の最後にも言ってたから実がないは言い過ぎでしたね。ごめんなさい。




と言うわけで46巻を見ながら『ポーさんは相当根暗っぽいからネガティブホロウ効かなさそうだなー』と思ったのをきっかけにその他についても色々と考えてみました。思うことが多すぎて書く前に浮かんでは消えるみたいな感じでどうにもまとまりに欠けてますが、「生まれてきても良かったのかな…」の答えを手に入れたところでこれからやっと「自由に生きる」ってのを始められるんじゃないのと、返り討ちをお家芸に生きるのも格好悪いけど新しいんじゃないのと。格好良い死に方はもっと生きてからじゃないと許されないんじゃないのと。
キルヒアイスより若くして没するのはどの世界でも許されないと思います。

*1:実力はあっても落ち着きがない体力自慢の術士、錚々たる面々が集結する最終世代の輝ける一般市民

*2:『男には地図が必要だ。荒野を渡りきる心の中の「地図」がな』